大学コラム
新入生歓迎宿泊セミナーを終えて
副学長・教授 倉田 三郎
平成18年4月19日・20日の両日にわたり、福山市沼隈町にある「みろくの里」で、新入生を対象に、尾道大学の理念を理解し併せて学生相互の交流・連携を図るという趣旨の下に、宿泊セミナーを実施しました。結論的に言えばこの宿泊セミナーは大成功であったと自画自賛しているところであります。自画自賛というのは学生からの評価をまだ聞いていないということと、宿泊セミナーから大学に帰ってきて、その興奮の冷めやらないまま、すなわち20日の15時に直ちに禿筆を呵しているということによります。
宿泊セミナーの閉講式でも申しましたように、この宿泊セミナーでは三つの成果を挙げることができたと思います。一つは、田崎教授の講演にもありましたが、大学でなにをなすべきかということ、つまり大学の理念なるものが、朧気ながらも把握できたのではないかという点です。二つめは学生同士が会話をしながら、交流の輪を広め、併せて教職員との人間的交流ができたということです。そして三つめは、世話役を買って出た二年・三年・四年の先輩たちが極めて温かく、協力的であったということです。私自身、事務局の方々や先輩たちの協力に感激し、涙がでる思いでした。
そしてそのとき私の胸に浮かんできたのは吉野弘の「生命は」という詩でした(昭和文学全集35、小学館、平成2年)。
生命は
自分自身だけでは完結できないように
つくられているらしい
花も
めしべとおしべが揃っているだけでは
不充分で
虫や風が訪れて
めしべとおしべを仲立ちする
生命は
その中に欠如を抱き
それを他者から満たしてもらうのだ
新入生の諸君も、今回の宿泊セミナーで、この詩の意味するところを感得できたのではないでしょうか。私たちは、欠如を抱きながら日々の生活をしているのです。今回のこの宿泊セミナーでは、私たち教員の指導の限界という欠如を満たしてくれたのが、事務局の方々の積極的な仕事であり、先輩たちの協力でした。もちろん先生方のお互いの協力もあります。改めて皆様方に深くお礼申し上げます。有り難うございました。
