大学院生・修了生の声

鈴木 琉平    絵画研究分野  油画

美術研究科修了生_鈴木さん写真

 

Q なぜ尾道市立大学の大学院を選んだのですか?

同世代の作家志望の学生がみな東京や京都などの中心地を過剰に意識していたところに問題意識を感じていて、中央ではなく地方にある良さそうな美術大学を探していました。
その中で知り合いの先輩が外部生として大学院に入学していたり、小野教授が岡本太郎賞特別賞、修了された先輩はクマ財団のスカラシップを取られていたりと、地方のデメリットを越えて活動を行い、評価されている方が既にいるのが決め手になりました。

 

Q 出身が秋田で大阪の大学に行き、尾道に来たわけですが、ここの環境をどう思いますか?

大学院を受験する前には尾道には来たことがなかったのですが、既に心を掴まれています。海と山の距離がとても近く、険しい斜面地に人が家を構え、土地と会話しながら築きあげてきた風土に魅力を感じています。
また、尾道の空気感には寛容さがあり、それは特筆すべきところだと思っています。ポジティブに自分の小ささを受け入れてくれ、だからこそ作品制作において何をしてもいいと認めてくれた気がしています。
学生だけではなく、ここに来てくれた作家が移住を検討してしまうのもよく分かります。

 

制作風景

 

Q 実際に大学院に入学して約一年が経とうとしていますが、大学生活はいかがですか?

とても満足しています。授業も常に興味深いですし、それでいて制作に負担がかからないように先生方も課題の量を調整してくれています。そのお陰で、見に行かなければならない展示には行くことができましたし、制作の時間に多く充てることが出来ています。
また、学生数も比較的少なく、先生方と話す機会が多く作れる所も個人的に嬉しいです。

 

Q これからやってみたいことはありますか?

まだ尾道に来て1年弱しか経っていませんが、この土地の独特な空気感に魅せられています。実際にこちらに引っ越してきてから作風が変わってきている感覚があります。私は美術館やホワイトキューブの外での展示の可能性に心動かされているため、尾道の市街地での展示に挑戦してみたいです。自分の作品制作と並行して、この土地の良さが展示場所としてどう有効に機能させることが出来るのか実験的に考えてみたいです。

 

作品写真     作品写真
我々の小さな聖戦
116.7 × 80.3cm パネルに油彩、スプレー
2022年
Rain is only part.
91×72.7cm
パネルに油彩、スプレー、蜜蝋
2023年