木村文則 研究室紹介
大量のデータから有用な情報を取り出す
経済情報学部経済情報学科 准教授
木村 文則 KIMURA Fuminori
ビッグデータ・人工知能
自己紹介
大阪出身の父と尾道出身の母のもとに大阪市で生まれ、奈良県橿原市で育ちました。お好み焼きはどちらもいけます。ずっと関西にいましたが、尾道市立大学に赴任するのを機に関西を出奔しました。
学部生時代のゼミ選びの際に、「データベース」か「人工知能」のどちらのゼミにするか迷いましたが、データベースを選びました。最初はデータベースのデータ管理がテーマでしたが、徐々に「データそのもの」に関心が移りました。集めたデータを有効活用できないか、と思ったわけです。情報検索、情報推薦、テキストマイニングなど、大量の文字データから情報を抽出する研究を行ってきました。
尾道市立大学に来てからは「人工知能」にも取り組み始めました。人工知能は大量のデータを使って学習するので、広い意味で「大量のデータから有用な情報を取り出す」とも言えますよね、ということで。また、どんなデータを分析すれば「実際に役に立つ情報」が得られるのかも興味深く、何を対象とすべきか模索しています。
研究室紹介
木村研究室では、「大量のデータから有用な情報を取り出す」ことに着目しています。最近はやりの言葉で言うと「ビッグデータ」分析ですね(ビッグデータの範囲が広すぎて全てはカバーできていませんが)。基本的にはテキストデータ(文字や文章。商品のレビュー文やTwitterの投稿文など。)が分析対象ですが、最近では画像データや観測データなども対象にし始めています。これらの基礎はゼミの授業でも行いますが、それとは別に有志が集まって「人工知能勉強会」を行うなど、研鑽に励んでいます。
【Topic 1: 人工知能】
ちりめんじゃこ生産ライン上の異物(ウオノエ)を人工知能で検出することを試みています。本研究は、尾道市の株式会社カタオカと共同で実施している受託研究(本田ゼミと共同研究)になります。
これについては、文部科学省と経済産業省が共同で立ち上げた「デジタル人材育成推進協議会」の第1回においてこの研究が紹介されました。「公立大学におけるデジタル人材育成の取組について」(※こちらをクリックするとPDFファイルをダウンロードします。)で取り上げられた5つの公立大学の一つとしても紹介されています。
【Topic 2: SNS分析】
観光地の「認知度」と実際の「訪問数」のギャップを可視化する研究にも取り組んでいます。下の1枚目のグラフの青い点は、観光地ごとに「行きたい」という希望のツイート数(縦軸)と実際に「行く/行った」という予定のツイート数(横軸)でプロットしたものです。青の点線は、希望と予定の関係を示す数式を可視化したものです。点線より上は、認知度の割に、実際の訪問数は少なめであることがわかります。
【Topic 3: 観測データ分析】
AIカメラで尾道本通り商店街などの人流数を計測(BIPROGY株式会社による)した結果を、理解しやすいように可視化し、データの分析を実施しています。本プロジェクトは、尾道市・BIPROGY株式会社および尾道市立大学の三者による共同研究になります。
デジタル技術を活用した人流データ取得調査について(※紹介介記事へのリンクへ飛びます。)